津波

昨日のチリ地震による津波で今日一日津波警報が出てました。テレビ画面もずーっと警報の地図が載ったままでした。「大」津波警報なんてあったんですね。高さ3m以上の津波が予想される場合に発表されるそうです。
地震が起きたのが昨日現地時間の午前3時半、日本時間で午後4時半。津波は太平洋ぐらいの深さだと700〜800km/hで進むそうなのでほぼ丸一日掛かって地球半周して日本に着いた訳です。
津波の伝播速度と波高は海の深さによって変わります。海が深いと速度は速くなり波高は低くなります。反対に海が浅いと速度は遅くなり波高は高くなります。沖合いでは低く見えた津波が岸に近づくにつれて急激に大きくなるのは海が浅くなるためです。
海が深いと波の伝播速度が速くなるのは津波に限った事ではありません。普通の海岸に打ち寄せるような波でも同じです。海水浴などで見かける波はすべて海岸線に向かって打ち寄せてきます。海岸を横に移動する波は見ませんね? もしそんな波があったらすごい長い時間サーフィンできそうです。横に移動する波が無いのもこの深さと伝播速度の関係に理由があります。仮に横に移動する波があったとします。少し波が横に進んだとします。すると海岸に近い方は浅いので速度が遅く、遠くの方は深いので、遠くの波が余計に前に進みます。結果的に波は海岸の方に少し曲がって斜めに進む波になります。さらに波が前に進むとまた同様に遠くの深い側の波が余計に前に進むのでさらに波は海岸線に向かうように曲がります。やがて進行方向が完全に海岸線向きになると深さは波のどの部分で同じになり安定します。そして海岸に打ち寄せるわけです。津波が離島を襲った時に島を回りこむように伝わって島の影になっているはずの場所に被害が出る事があります。北海道の奥尻島を襲った津波がこの例ですが、津波が回り込むのもこの深さと速度の関係のせいです。