宇宙戦艦ヤマト 復活篇

宇宙戦艦ヤマト 復活篇 [DVD]

宇宙戦艦ヤマト 復活篇 [DVD]

従来のヤマトの続編として見るか、全くの新作として見るかで違いはあると思います。ほとんどの人は続編として見ると思うし、製作側も「あのヤマトが復活」みたいな宣伝をしてるし、私もそのつもりで見ました。それを踏まえての感想です
まず、絵がダメです。
宇宙戦艦ヤマトじゃなくて宇宙戦艦ミズーリですか? 
キャラデザインがアメコミみたいなデザインです。古代と真田さんと佐渡さんはかろうじてイメージを残してますが、それ以外のキャラは全然別物です。従来の松本零士のキャラクターの繊細さは全くありません。敵側のキャラはもうアメコミそのままです。スーパーマンとかバットマンに出てきそうなキャラばかりです。
今回のヤマトはフルCGで作られてるようです。CGなのでアングルが変わってもプロポーションが正確で破綻しないのは良いと思います。しかし、船体表面の質感が良くない。変にツヤがあったりして、リアル感や重量感がありません。プロポーションや細部のデザインも不満があります。今回のヤマトは第2次大戦戦艦大和に近づけたデザインになっているようです。それゆえ、古臭く見えます。特に第1砲塔前から艦橋方向を見るアングルだとそう見えます。従来のヤマトは戦艦大和にシルエットは似てますが、デザインはかなり異なってます。船体は船首の方こそ海上艦そのままですが、中央部分から後ろはほぼ円筒形で、そのまま船尾のロケットエンジンに繋がります。艦橋も砲塔も今回のヤマトはかなり角ばった水平垂直の線が多いようですが、従来のヤマトは傾斜した面が多くスマートです。ヤマト艦内のデザインも変。そこらへんのTVゲームみたいな感じのディスプレイを見てキーボードを忙しく叩く乗組員たち。今から200年経ってるのにキーボード入力は無いんじゃない?
敵艦隊の船は異文化の船と言うことで、異質なデザインでも良い訳ですが艦内のデザインはやはりアメコミっぽい大味なデザインです。
唯一いいのは、ヤマトの艦載機ぐらい。もっとも艦載機そのものは良くても発進する駐機場の様子は良くない。
デザインについてはある程度変わるのは仕方ないと思います。たとえシリーズものであっても、製作側としてはよりよく変えたいと思うでしょうから。しかし、質感とかリアル感、重量感などはどんなデザインでも高度に求められるし、達成しなければいけません。
ストーリーは単純、あっさり普通に作った感じです。敵艦が弱すぎない? 味方艦はほとんど沈まないし、ヤマトが強すぎて戦闘シーンが盛り上がりません。
ヤマトということで見てみたけど、もう一度見たいとは思わないです。単純なストーリー、アメコミっぽい大味なキャラとメカニックのデザイン、これがプロデューサーが見せたかったヤマトなの? もともと私はあのプロデューサーは嫌いですけどね。
マクロスフロンティアエヴァンゲリオン並みのCGと繊細な松本零士デザインのキャラ、そして近未来のメカデザイン、そんなヤマトを見てみたいです。