ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編

ゲート―自衛隊彼の地にて、斯く戦えり〈1〉接触編

最初タイトルを見て戦国自衛隊みたいなリアルな話かと思いましたが、違いました。


銀座の真ん中に突然異世界への穴が開いて中世のような軍隊の大群が攻め込んで来る。
突然の攻撃に多くの犠牲者を出しながらも警察と自衛隊で攻撃を食い止め、さらに押し戻して異世界側の穴周囲を確保する事に成功する。

その後の穴の向こう側の異世界に駐屯することになった自衛隊の活躍の話です。


設定としては

  • タイムスリップではなく異世界への穴が開いたままで自由に行き来できる
  • 穴の向こうはファンタジー世界
  • 主人公はヲタク趣味の自衛隊

穴を自由に行き来できるので物資補給や人員配置は常時可能だが、タイムスリップ物の様に部隊が独自に判断する事は原則出来ず、常に日本政府の指示と法律に従わなければいけないし、野党やマスコミも煩いし、こちらの外国(米国とか中国とか)も何かと干渉してくる。

異世界はよくあるファンタジーRPGそのままの世界。基本は中世ヨーロッパだが、人間以外にエルフやドワーフなどの亜人、実体としての神様、空を飛び火を吐くドラゴンなど一通り揃っていて、魔法もちろんもある。

主人公はオタク趣味の自衛隊員なので、その手のネタもポロポロ出てくる。一緒に行動するのは、リアルファンネルを使いこなす銀髪の無表情魔法少女ゴスロリ衣装の亜神、ヤンデレ気味の森のエルフ、ダークエルフ猫耳少女、BLに目覚めてしまった帝国皇女・騎士団員などなど何でもあり状態です。



オタク趣味があってミリタリーが好きでファンタジーが好きな人(それってアキバにいる人ほとんどな気がする^^;)なら読んでとても面白いと思います。
私は第1巻から外伝第3巻まで一気に読みました。
個人的には外伝第2巻が一番面白くて何度でも読める。


現在、入手できるメディアは4種類あります。

  • 書籍版
  • 文庫版
  • コミック版
  • Web版

書籍版は本編5巻、外伝3巻。外伝は本編の後の話なので、実質的には本編の続編。
文庫版は書籍版の本編各巻を2分割。
コミック版は書籍版をほぼそのままコミック化。Webコミックとしてアルファポリスで連載公開中。現在は書籍版の第2巻の中程まで進んでいる。
Web版は書籍版の元になったWeb小説版。以前はWeb上の小説投稿サイトで公開されていたが、現在は一部の外伝以外は削除されています。


読みやすいのはやはりコミック版です。キャラクターの表情が分かりやすい。書籍版は所々時系列が逆さまになっているのですが、コミック版は時系列順に修正されているのでその点でも分かり易い。

Web版は当時公開されていたと思われるファイルを探して読んでみました。人名がリアルの人名っぽいのが付いていたり、アニメネタの出典先が書いてあったり、ロゥリィの箱根での大立ち回りが無かったりといった細かい差異以外に、最終部分の展開が大きく違います。Web版の終盤の展開だと書籍版の外伝に繋がりません。書籍版を先に読んだ私からするとあまり後味がよくありません。



第1巻の最初のあたりを読んだ時だけ、なんだか違和感があったのだけど、文章が変なのだろうか? よくわからん・・・


コミック版→書籍版→Web正式版 と全部読んでみて今更だが、最近になって気づいた事・・・「ロゥリィ」の「ロゥ」はどんな発音で読むの?
同じ様な「お行+ぅ」の表記だとサッカー選手の「トゥーリオ」(田中マルクス闘莉王)があるが、上手くあてはめて発音できないんですが・・・。
私的にはずっと「ローリー」と発音してたし、Wikipediaのドイツ語版だと Rolly Mercury になってるから普通に「ローリー」と読めばでいいんじゃないかと思うんだが。作者があえて「ロゥリィ」と書いたのは異世界っぽくする為なのかねえ。